男と女がうまくいかなくなった理由。

●「いい加減、仕事言い訳にすんの、やめろ。」●

その昔、男はなんでも、「仕事」といっておけばすみました。

仕事で遅くなる。仕事で疲れてる。仕事でストレスが溜まる。仕事、仕事、仕事。

そうすると、女は「それは大変ね。それは仕方ないわね」と渋々ながら納得するしかなかったのです。

ところが、この数十年で、「仕事」というもののネタが、完全に女にバレてしまいました。

男が急な打ち合わせを理由にデートに遅れようものなら、女は、内心、

「なぜ、そんな段取りの悪いことになるの? 私なら絶対に20時から打ち合わせなんて入れさせないのに」と思います。

男が予期せぬトラブルを理由に、土曜の家族での外出をキャンセルしようものなら、女は、

「なぜ、そんなトラブルが起こるような仕切りをしておくのか。私ならそんなことはしない」となってしまいます。

女が経済的に依存しなくても良くなった、という事実に加えて、

この、「仕事神話のネタバレ」というのが、男女の交際がこれまでのような安定感を見せなくなった理由としてあるように思います。

(サッカー部の主将とつきあっていた女子マネージャーが、自分もサッカーを始めて見たらレギュラーに抜擢、一緒に試合を重ねる内に、主将の決定力のなさが目につくようになった、といったら、わかりやすいでしょうか。わかりにくいですね)

もちろんそれは悪いことではなく、男がてきとーに仕事を理由にしてぞんざいな態度をとることが許されなくなったという意味では、まっとうな人間関係として歓迎すべきことでしょう。

恋と仕事のキャリアカフェでは、「いやいや、私は別に男子のことを責め立てたいわけではなく、むしろ、仕事のネタなんて知らないふりができたらそのほうがいいんだけど」という切実な相談も熱烈受け付け中です。
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