数年前から女装がちょっとしたブームになっています。
「男の娘」「女装子」などと呼ばれ、女性の服装をして街を歩いたり、飲食をしたり、写真を撮ったりする趣味を持つ男性が増えているのだとか。
彼らは、いわゆるゲイやニューハーフとは違い、恋愛対象は女性であることも多いのが特徴。草食系男子をはじめとする「雄々しくない男性」の最新形として、各メディアで取り上げられています。
人は誰しも、自分の中に男性性と女性性の両方を持ち合わせていると言われます。ところが、社会生活をしていると当然、どちらか一方だけを要求されることが多くなります。
「男らしく」「力強く」と「男性性」ばかりを要求されて疲れてしまった男性が、自分の中の女性性をうまくガス抜きする行為、それが女装なのかもしれません。
実は同じことは女性においても言えます。
女性の中にも当然、女性性と男性性の両方がありその割合はひとそれぞれです。社会生活の中で「女性なんだからしとやかにしなさい」と女性性を要求されたり、かと思えば「男性に負けないように仕事をがんばりなさい」と男性性を要求されたり。そういう意味では多くの女性も、社会からのメッセージに疲れていると言えるでしょう。
そんなときには、遊び感覚で「女性を装う」のもオススメ。
普段しないようなフェミニンな服装をしてみたり、セクシーな下着を身につけてみたり。人によっては逆に「男性を装う」べき時期も必要かも。汚い焼き鳥屋に行ってみたり、粗野な言葉づかいをしてみたり。本気で自分を変えるのではなく、適度に「フリ」をすること、それが「装う」ことなのです。
恋愛においても同様です。今の自分を全否定して無理に「女子力」を身につけなくてもOK。「料理できるっぽいところを見せたりして・・・」「たまには女の子っぽくふるまってみたりして」ぐらいの気持ちで「女性を演じる」ぐらいの気持ちがいいでしょう。
そのほうが、自分の中のバランス・多面性もうまく保たれますし、男性としても「プレイ」として気楽に受け止めることができます。
自分の中のいろいろな面から目をそむけずにコントロールする。その代わり、男性が女々しいところを見せてきても「気持ち悪い」と拒否しない。複雑なオトナ同士が、いたわり尊重し合う恋愛こそが、この現代に求められています。
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