内定の先に。

今年就職活動アドバイスをしていた学生から、内定の知らせがここ数日でたて続き、毎日のように喜びの咆哮をあげています。
もちろん本人の達成感・喜びには及ぶべくもありませんが、何ヶ月にもわたって一緒に悩み考えてきたことが報われた瞬間です。
テレビ局に内定したひとりの学生が、祝杯をあげながら就職活動を振り返り「これからこの企業で働いていくことを自分に強く納得させる大切な過程だった」と表現していました。
この数ヶ月で、いろいろな面で悩み成長したことをうかがわせる、決意に満ちた発言でした。心なしか目の光にも強いものが感じられるます。「働く」という行為に対する純粋で強い気持ちに触れ、また、10数年前に私自身が同じような心持ちで就職活動を終えていたかを考え、身の引き締まる思いがします。
とはいえ、もちろん内定はゴールではありません。卑近なところで言えば今度は配属という選考に立ち向かうことになりますし、長い目で見れば「働き人生」は始まったばかりに過ぎません。さらに、結婚、家庭、出産、育児と、彼ら・彼女らを取り巻く人生環境はこれからいっそう複雑になっていきます。
彼ら・彼女らが内定先の企業で充実した社会人生活を歩めることを、心から祈ってやみません。が、同時に、もしいま心に抱いている理想や夢をその会社の中で見失うようなことがあれば、敢然と立ち止まり、存分に惑ってほしいとも思います。その結果、会社を辞める、転職をする、はたまた独立するという選択肢も出てくることでしょう。
大学4年の春に生まれた真摯な思いはそのままに、かといってそれにとらわれすぎることなく、そのときそのときで幸せな働き方・生き方を模索して欲しい。一生に一度しか経験できない濃密な数ヶ月間に関わった者として、心からそう思います。

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