月別アーカイブ: 2014年2月

「新・LINE疲れ」が蔓延中。「グループ機能」が仲間うちの疎外感を助長

つい先日、LINEユーザーが3億4千万人を突破したことが発表されました。合わせて、アメリカ進出計画も明らかになり、その勢い、とどまるところを知らないLINE。

ですが、その好調なニュースの陰で「新・LINE疲れ」とも言うべき現象がひそかに進行しているようです。

これまで言われてきた、いわゆる「LINE疲れ」は、送ったメッセージが「KS(既読スルー)」されてしまってイライラしたり、逆に、急いで返信しなければとプレッシャーに感じたり、なにかとわずらわしい気持ちを抱えてしまう現象でした(参考記事:LINE世代は「返信」をしない!? 「KS(既読スルー)」でコミュニケーションが変わる)。

◆新・LINE疲れの正体は「ちょっとした仲間はずれ感」

ですが「新・LINE疲れ」の原因は「KS(既読スルー)」ではなく、意外にも「グループ機能」にあります。「新・LINE疲れ」を嘆くある大学生男子(21)はこう語ります。「友達何人かと他愛のない話をしていて、ふとしたときに自分の知らない『グループ』の話題を持ち出されると、『え、そんなグループあったんだ……』と、一抹のさみしさを覚えてしまうんです」

そう。この「自分の知らないLINEグループがある」「仲間はずれにされているような気持ちになるけれど、とりたてて言い出すこともできない」、しんみりとモヤモヤした気持ちこそが、新たな「LINE疲れ」の正体です。

LINEには手軽で便利な「グループ」という機能があり、友達数人と簡単にチャットグループを作ることが出来ます。「同じ出身校同士でグループ」「ラーメン好き同士でグループ」「あるアーティストのファンのグループ」「定期的に飲み会している仲間でグループ」……。それらはLINEの中に作られたちょっとしたコミュニティで、少なければ数人でしめやかに、多ければ全体への掲示板的な使われ方で、たくさんのやり取りが交わされています。

当然、実社会で同じコミュニティ(たとえばテニスサークル)に属しているメンバーの間でも、入っているLINEグループは異なってきます。たとえば、AくんとBくんは「ラーメンLINE」に入っているけれど、CくんとDくんは入っていない。逆に「サッカーLINE」に入ってないのはBくんだけで、Cくんはその他に「スイーツLINE」にも入っている、など、ひとつのコミュニティの中でも関係は入り交じっています。

グループに誰が入っているのかお互い把握していない場合もしばしば。だからこそ、当然この話題は知っているものと思って、「サッカーLINEで流れたあの動画、うけたよね」と仲間内で話題にする。けれど、Bくんだけ、ポカン!と話題から置いていかれる。そういう悲劇(?)が、日常的に起きているのです。

◆濃すぎる「人づきあいの境界線(LINE)」

もちろん、あるコミュニティの中で、気の合う・合わないがあるのは当たり前。趣味や話の合う仲間同士でさらに小さなコミュニティが作られるのは、これまで(LINE登場以前)にもあったこと。ですが、その境目はあくまであいまいでした。自分以外の数人が、同じアーティストの話題で盛り上がっていても、「お前ら、ほんと好きだよな」くらいに笑っていられたものを「ももクロLINE」とグループができてしまうと(そして当然、仲間に入れてもらえないと)(そしてそこで、次第にももクロ以外の話題、たとえばみんなで焼肉を食べに行く計画が話されるようになると)「なんだかなあ…」とついつい疎外された気分に陥ってしまうわけです(そのグループで交わされる他愛のないおしゃべりは、彼の目には一生、触れることはありません)。

本来「仲のいいメンバー」とは「生もの」で、常に変化し続けるものでした。話の輪にしても、誰の許可を得るでもなく自然と入ったり、飽きたら抜けたり。ですがLINEのグループはこの「ゆるさ」「あいまいさ」を取り払ってしまいました。「お前はこの話題には関心ない(スペックに該当しない)から、グループに入れない、お前は入れる」という線引きがあまりにデジタルで明確なので、入れないほうは「壁」を感じてしまう。人づきあいがはっきりと「グループ化」され、「Aくん・Bくんとは仲がいいけど、Cくんとはあまり話さないかな」ぐらいだった境界がどんどん厳格なものに。まさに、人間関係に境界を引く「線(=LINE)」が濃すぎるわけです。

では、なるべく多くのグループに入っていればそれで安心・安泰かというとそうでもありません。10も20ものグループに所属していると、そこで交わされるおしゃべりについていくのも大変。ついていかないにしても、新たな書き込みがあると丁寧に通知が来る。中には正直、興味のないものもあります。かといって放っておくと、大事な連絡事項が紛れていたりしてトラブルに。常に誰かから話しかけられているようなストレスにさらされ、これはこれで疲れてしまう……。
一度作ったグループはなかなか消えない

さらにいえば、一度作ったグループが半永久的に消えないのも、特徴的。たった一度だけ飲み会で盛り上がったメンバーで、勢いで「じゃあ、グループを作って連絡しあおう!」と始めてみても、当然、じょじょに没交渉になるもの。ですが、グループだけではそれぞれのスマホに残り続けます。LINEを開く度に目に飛び込んでくる「●●飲み会!」というグループ名。かといって、そのグループを退会したり、削除したりするほどのエネルギー(&意欲)もない。こうして、まるで過去の思い出の化石のような休眠状態のグループだけが、積み上がっていくというわけです。

この現象は、人づきあいがスマホの中だけで完結していれば起きません。LINE上の複雑な人間関係が、実際のリアルな会話に偶然飛び込んできたときに、初めて「え? そのグループ知らない」という軋轢を生みます。そういう意味でも、極めてSNS的・現代的な現象と言えるでしょう。

もちろん理想は、「疲れ」などを感じずに、「えー、オレも入れてよー」「だって、お前、ももクロ好きじゃないだろう?」「好き、好き!」「ほんとかよ」といったタフな軽やかさが大事。そうやって、リアルな人づきあいのネタにするぐらいの気持ちで、LINEに接したほうが精神衛生上いいでしょう。「既読スルー」しかり、「グループ疲れ」しかり、ささいな気持ちのざらつきを気にせず、適当に鈍感に接することが、この時代を生き抜く術。そうでもしないことには、多くのやり取り・情報にもまれて悲鳴を上げてしまうことになります(参考記事:すべては「チャット化」していく ~流行語とLINEと恋愛の意外な関係~)。

LINEのグループは本来、限られたメンバーだけが楽しめる秘め事。それがどんどんメンバーが増え、コミュニティみんなのものになるにつれ魅力を失ってしまうのは自然な流れ(便利になるのとは反比例して)。そしてまた数人だけのグループが新たに誕生する……。数少ない輪を大事に楽しむ人もいれば、なるべく多くの輪に入ってないと心配でしかたない人もいる。すぐに疲れてしまう人もいれば、軽やかに立ち回る(けれど、どこにも深く属していない)人もいる。そういう意味では、LINEのグループ機能との接し方(疲れ方)は、その人の人づきあいの傾向を映し出す鏡とも言えそうです。

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狩野英孝の「聞き上手」テクニック

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 先日、あるテレビ番組でタレントの狩野英
孝がこんな話をしていました。
 
 司会者から夫婦円満の秘訣を聞かれた彼は
「奧さんの話をきちんと聞くこと」と答えま
す。と、ここまではよくある話。
 
 続けて、「でも、いかにも『お前の話を聞
いてあげるよ』というトーンではダメなんです・・・

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五百田 達成 Iota Tatsunari
作家・心理カウンセラー(米国CCE,Inc.認定 GCDFキャリアカウンセラー)
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