月別アーカイブ: 2008年11月

日経ビジネスオンライン(11/26更新)に寄稿しました。

 本日、「草食系男子『お嬢マン』が日本を変える」(牛窪恵著)を読了しました。
 
 とかく、「エネルギーに欠ける」と上の世代(および企業マーケティング担当者)から嘆かれがちな20代男子のライフスタイルにスポットを当てた内容で、著者の長年のリサーチに基づく、リアルな生声やエピソードの数と種類がとにかく豊富で、ひきつけられました。

 頭ではわかっているつもりでも、なかなか実感できなかった彼らの価値観・考え方に、少し迫れたように思います。

 先日書きましたとおり、20代男子は私も長年見つめてきたテーマです。彼らの価値観には、私も共感できるところが多く、とはいえ、上の世代(40代)が残した強烈な価値観に縛られている自分も感じ、「なるほど、こうやって時代の空気というものは、一気にではなくゆるやかに変化していくのだな」と、自分自身をサンプルに、納得を深めています。

 明日更新の日経ビジネスオンライン「働く女性のリアルリポート」に寄稿しています。「働く女性が求める”癒し”」について書いたコラムです、こちらにも20代男子が登場しますので、ご覧になってみてください。
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信じる。

 近年、ビジネスコミュニケーションにおいて、「叱る」が注目されています。
 「正しい叱り方」をマニュアル化している会社もありますし、「叱り方」を指導する本も多数出版されています。
 一昨日のことになりますが、即興劇の手法を取り入れた研修プログラムが特徴的なアメニモの、「『叱る』セミナー」に参加してきました。
 表面的な話しかけ方やプロセスではなく、相手の可能性を信じ、心から相手の成長を期待する、その関係性を日頃から作っておき、叱るときには本気でそのことを伝える、という、とてもアメニモらしい、気持ちの伝わってくるセミナーでした。
 相手の可能性を信じる。相手が必ずその悩みを克服できることを本気で信じる。この姿勢はキャリア相談における根幹でもあります。
 「できる」と信じるところから関係は始まる。そのことを改めて深く心に刻むことができた、貴重な1日でした。

「恋と仕事のキャリア相談」by恵比寿キャリア研究所
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淡々民。

 少し前の新聞記事になりますが、10月29日の日経MJ紙に掲載された「淡々民」というワードが話題になりました。
 
 日経MJウォッチによれば、「肉より魚を好み、伝統的な和風文化も好き。デートは自宅が多く、クリスマスも普段着で恋人と会い、宝飾品も花もあまり贈らない??。全国の20代の消費行動を調査した結果、今どきの若者の姿が浮かび上がった。消費への姿勢は淡泊だが、友人は大切にしコミュニケーションには気を配る一面も」とのことです。

 私自身、博報堂生活総合研究所に在籍当時、30代・40代から見ると「テンションが低そう」に見える20代の若者たちの生態に特徴と傾向を見出す作業をたびたび試みていましたが、今回の日経MJの指摘は、そのネーミングもあいまって、絶妙と言えます。日経MJは個人的に好きなメディアなので、ニヤリとしてしまいました。
 
 さて、そんな「淡々民」であるところの20代(というのも乱暴な区分けではありますが)が、「仕事」とはどのように向き合っているのかは、とても関心のあるところです。

 これまで攻めろ、伸びろと経済力をつけることに必死になってきた日本が、ようやくその限界に気づき、ワークライフバランスなどにも目を向け始めている中で、これからの日本の企業社会を担う彼らの職業意識に注目が集まります。

 個人的には、30代・40代の人が「だからゆとり世代は…」となげくほどに、日本の企業社会は大変なことにはならないと感じています。むしろゆるやかに、ほどよく価値観のミックスされた、柔軟性を持った組織へと転換して欲しいと願っています。それはこれまで通りの経済水準とは相反する結果となるかもしれませんが、大きく見れば、いい方向へ向かっていると信じたいものです。

 ところで、冒頭の記事中には、彼らは恋愛に関しても後ろ向きでめんどくさがる傾向が強いことが報じられていました。みなさんは、あるいは、みなさんの周りの20代はどうでしょうか?

 恵比寿キャリア研究所
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