じゃあ次に、話題はどうでもいとして、そんな中でも、人柄やキャラが一番出やすい話題はなんでしょう。そうです、それはきっと「雑談」であり、「おはよう!」であり、「そういえばね、」の話です。決して「ぼくはこういう人だ!」「わたしはあなたのこの辺がとても好きなの!!だってね……」「あなたとこういう風に付き合いたいの、なぜならね、!!!」「ぼくは学生時代キャプテンをやっていて!!!!」ではないはずです。(つきあってからはいざ知らず、少なくとも最初のデートではそうじゃないですよね?何回かデートを重ねると、そういうことに耳を貸す空気が出来てくるような気もします)
だから、自己PRと志望動機ぐらいしか聞いてこないような企業は、あんましその恋愛にやる気がないのです。逆に、気さくに話しかけてこようとする企業、あなたがリラックスできるような内容を聞いてくる企業は、あなたの本当の人となりを知りたい企業です。あなたのことをきちんと知ろうとしている(逆にいうと、本当にいい感じの人間かどうか見ぬこうとしている)いい人です。デートの上手な企業です。好きになってあげてもいいかもしれません。それは、入社後の社風(つきあってからのあなたへの態度)にも出ますから。
おっけーです。じゃあ、なにを話してもよくて、むしろそのほうがよくて、できれば最初の最初から、くだらない雑談をして、時間もたっぷりあって、リラックスしたムードで、なんならお茶かビールでも飲みながら、楽しく話して、「へえ、そうなんだぁ」「あ、わかるわかる」とお互いのいいところを引き出しあう。それが理想のデートです。企業も本当はそうしたいのですが、なかなかそこはオトナの世界、そうもいかない、費用と時間の都合もありますし。
そこで、一応、面接の際、短時間で人となりをわかろうとするために、会話の始まり=とっかかりとして、企業が求めてくる、いわば乾杯のあいさつがあります。それが、自己PRと志望動機です。つまり「あなたはどういう人なの?」「なんで私とつきあいたいの?」と、一応のお約束で聞いてくる。そこから、話を広げましょう、最悪、時間がなければ、それだけしか覚えられないけど、ま、それもよし、しかたないよ、というものです。あくまで、話のきっかけに過ぎません。きっかけがきっかけで終わってしまったら、もちろん、残念ですが。でも、まあ、そこはオトナとして一応、用意しておいてあげる必要があるようです。
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恋愛就活 第5回
じゃ、それらの判断ポイントはどうやったらわかるか。ま、普通何回か会って話すのがいいでしょうね。「たくさん話さないとだめ」という人もいれば、「ぱっと見ればわかる」派もいるでしょう。企業も同じで、それぞれの最終的に交際できる人数(内定者数)と自らの見定める力を天秤にかけて、面接の回数を設定します。大抵3~5回なのは、偶然ではなく、普通のデートからつきあうまでと、まあまあいっしょです。個人差はもちろんありますが、人が人を判断するのには、それぐらいの回数会わないといけない、そういうことなのでしょう。(逆に、サークル内恋愛派のように、「ずっと友達でいて、そのうち徐々に好きになりたい」そいういうタイプの会社もあります。インターン制度などがそれにあたります。最近、とても増えています。このご時世、会社も本気でまじめで長いおつきあいを求めているのでしょう)
さあ、デート(面接)に漕ぎつけました。2つのポイントを見定めたい。だとすると、どんな話題がデートにふさわしいでしょうね。どうですか?どんな話だと相手のキャラがわかりますか?そうです、答えは「なんでもいい」です。ポイントは、「話の内容」ではなくて、「話し方」であり「しぐさ」であり「雰囲気」じゃありませんか?「笑顔」とか「視線」とか「言葉の選び方」じゃありませんか?さらにはそこからにじみ出る「キャラ」もしくは「人柄」あるいは「芸風」じゃありませんか?内容はなんでもいいんです。もちろん、強いて言えば、内容重視の人もいれば、キャラ重視の人もいます。それは企業にもよりますし、その日の面接担当者にもよります。
「昨日、前に話したサークルの友達の高橋とカラオケ行って、そのあと買い物いったんだけど、あんまりいいのなくてぇ」とか「昨日親と食事に行ったら、かわいい犬を連れてきてるお客さんがいたの」とか話されても、あなた的には、はっきり言ってどうでもいいですよね?いや、どうでもいいから、その人が嫌いになるということではなく、そんな話をされても、好きになる人は好きになるし、嫌いになる人は嫌いになる。そういうことです。そうです。面接で何を話したらいいか悩むのは、かなり無駄です。おそらく、みなさんが考えているより、5割増しぐらいで無駄です。逆に、とーっても立派な事をいわれてもそれだけで、好きにはならないですよね?「おれさあ、将来、アラスカに家を建てたいと思ってるんだ」「わたし、かわいそうな人を見るとほっとけないたちで、つい優しくしちゃうの」これだけで好きになる事はないはずです、多分(すみません、もちろん、いるかもしれません。でも、企業という恋人は若干、その辺冷静に判断する人だと思ってもらったほうがいいかもしれません。現実的なんです。採用活動というのはとてもお金がかかるので。ほんとうにいい感じの人とだけ付き合いたいんです)。
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恋愛就活 第4回
※普段の生活・価値観から遠いものとしてとらえがちな「就職・就活」を、身近な事象である「恋愛」に見立てて考えよう(本気で)という本を数年前から企画中です。その「面接の考え方」という章を、今日から数回に分けて掲載していきます
冒頭からわかりやすいたとえですが、「面接」は「デート」です。つきあう前に数回重ねる、淡い感じの、手探りな感じのデートです。そして、デートと同じく、ついいろいろ気を遣うのですが、デートといっしょで、そういう努力は大抵無駄です。
面接で何を話せばいいかわからない。そう思ったら、デートに当てはめて考えてみるとわりとクリアーです。そう、「なんでもいい」です。面接でどのようにふるまえばいいかわからなくなった。デートに当てはめて考えてみるとかなりクリアーです。そう、「好きなようにしたほうがいいし、相手に合わせるとロクなことはない」です。楽しいデートは何を話しても楽しいし、つまんないデートは何を言ってもすべります。そういうものです。
気合いの入りまくったデートは、まず引かれるうえに、失敗しがちです。気乗りしないデートでも、うっかり盛り上がっちゃたりすると、相手のことがよく思えてきます。そういうものです。
ああしよう、こうしようと考えるのは楽しいですが、あまり大勢に影響がない、このことをまず、あきらめてください。
さて、一応、つきあいたいかもしれないないなと思って赴くデートですが、その時、相手(面接官)があなたをどの部分を判断しようとしているかは知りたいところです。ですが、それは、あなたが普段のデートで相手のどこを見てどう判断しているかといっしょです。おそらく、「(とても広い意味で、外面、内面トータルで)いい感じの人かどうか」(つまり、こいつが会社の部下だったとして、楽しくやっていけるかどうか、有能かどうか)であり、次に「(いい人ではあるけれど)おれ(わたし)と相性合うだろうか」(うちの会社に合うかどうか)です。この2点に集約されるはずです。これだけです。ほかの事(どんな服装、どこへつれていく、ご飯はなにを、映画が面白いかどうか、晴れてるか曇ってるか)はどうでもいいのです、たぶん(すみません、恋愛に「絶対」はないのです)。
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