質問:
私って会話が苦手です。
褒められても返し方がわかりません!
褒められているのに、なんて返事したらいいのか分かりません。
外見は5歳くらい若く見られる私ですが、贅沢と思われるかもしれませんが、悩みがあります。
それは「あなたのお肌っていつもキレイね~。どういうケアをしているの?」と聞かれたときです。
いつも「何もしてないですよ。」とか「もともとこういう肌なんで……」と答えていたんですけど、「何もしてないってことないでしょ?」とか「せっかく褒めているのにテレちゃって~」とか、言われます。
もっと気の利いたことを言えばいいんでしょうけど、思いつきません。
本当のことを言ってもダメっぽいし、高い化粧品を使っていると自慢すればいいのかな? でも実際使ってないので、会話が続かないと思います。マッサージもしてないし……。
先生はいつも褒められたとき、なんて返していますか?
(22歳・学生)
回答:
「素直にお礼&すかさず褒め返し」
が鉄則です。
褒められると固まってしまう。照れてしまうし、本当のことを言っては会話が弾まないので緊張する。うまい対応が出来ないものか、と考えてしまいますよね。
今回のお悩みは崖っぷち相談というよりも、思春期独特のお悩み。僕自身も経験のあることです。結論から言うと、褒められたときの「返し」の基本は「お礼」です。
せっかく褒めてくれているわけですから、「ありがとうございます」「うれしいです」などと、素直に喜んでお礼を言うことに専念しましょう。
「どういうケアをしてるの?」とは言っても、正直相手もそれほどまじめに尋ねているわけではありません。愚直に返事をしようとしなくてもOK。そこで変に「何もしてない」と答えるから、「してないってことはないでしょう?」と泥沼にはまっていくのです。うまい答えがないときは、何を尋ねられても「ありがとうございます」の一点張りで行きましょう(それでもだめなら「もともと肌は強い家系でして」「母親ゆずりなんです」あたりは鉄板の回答です)。
上手にお礼が言えるようになったら、もうひとつ心がけたい作戦が「褒め返し」です。嫌らしい話ですが、褒める人の中には「お返し」を期待している人が少なくありません。せっかく褒めてもらったのですから、お返しをしましょう。
「~~さんこそ、すごく肌がきれいですよね」とストレートに肌を褒め返してもいいですし、「~~さんも、髪型、すごくかわいいですよ」「ありがとうございます。私も~~さんのファッション、いつも素敵だなあって思ってるんです」などなど、なにか他の要素に振るのもOKです。
そうすれば話題はそちらに移っていきますし(「あら、そうかしら? でもそうねえ、●●には気をつけてるかしらねえ」)、なんなら別にあなたを褒めたいわけではなく、その人自身が自慢を始めたいだけ(「実は私も若いころは、あなたぐらい肌がきれいだったのよ」)ということも、よくあるのです。逆に言えば、いつまでもあなたが「お返し」をしないので、話題があなたに集中し続けてしまうということ。
きっとあなたは不器用でまっすぐな性格。いわゆる女の子同士の付き合いにもうまくなじめていないのではないでしょうか?
昔から女の子同士は、初対面の相手に向かって、頭のてっぺんから靴の先までひとしきり褒め合います。それが男性たちからするとなじめず、「嘘くさい」とか「気持ち悪い」などと非難の的になりがち(あなた自身も、うっすらとそう思っていませんか?)。
ですがそれは違います。相手の美点を(無理にでも)見つけて口にするというのは立派な社交術。「あなたのことを気にかけてますよ」「攻撃する意志はありませんよ」という初歩的なコミュニケーションです。言われたほうも適度に褒め返すことで、その場がなんとなく和やかになります。そう、「褒め合い」とはいわば、あいさつのようなもの。
あなたは「こんにちは」と言われたらなにも考えずに「こんにちは」と返しますよね。「いいい天気ですね。おでかけですか?」と聞かれたら「ええ、ちょっとそこまで」と答えますよね。それといっしょです。「How are you?」と聞かれたら「Fine. And you?」と答える。深く考える必要はありません。ポイントは内容よりもむしろ笑顔です。
もちろんこのオトナなコミュニケーションも、やり過ぎると「おばちゃんっぽい」などと思われてしまうので注意が必要(実際、あなたにそうやって声をかけてくるのは年配の人が多いはずです)。
聞かれたことにきちんと答えようとするのは、若さの象徴。どうせ、そのうち年を重ねるうちにうまく返せるようになるはずです。いまのキラキラとした不器用さが失われてしまうのは正直もったいないような気もします(ずっと不器用でいてほしいような)が、お困りのようなので真面目にお答えした次第です。
褒められたら自動的に「お礼&褒め返し」。
「社交辞令」というのは悪い意味でとらえられがちですが、存外、あなどれないものなのです。
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